カクテル アンナカレーニナ


アンナカレーニナ

酒の好みも色々だが、異性の好みもいろいろである。最近ではリードしてくれる女性の方が楽でイイという男も多くなってきたが、それはそれでちょっとなあ…
「まあこればっかりは個人の問題ですから」
マスターが差し出したのは真っ赤なチェリーがツマの、真っ赤なショートカクテルだった。
「アンナ・カレーニナというカクテルです」
ウォッカがきいている、かなり強めのカクテルである。
「『アンナ・カレーニナ』ってどこかで聞いたことが…」
そうだ、昔見た映画ではないか。、元々はロシアの文豪・トルストイが書いた小説が原作ではあるが。何度も映画化されているが、オレが見たのはヴィヴィアン・リーが主役(アンナ役)だった。
「『風と共に去りぬ』にも出演していた人ですよね。実はスカーレット・オハラというカクテルもあるんですよ。それも赤い色をしているんです」
「アンナ・カレーニナ」もそうだが、運命に流されない強い女性を演じさせたらヴィヴィアン・リーはピカイチだったという話を聞いた。そう、彼女には情熱的な赤という色が本当にハマるのだ。
「モノの本で読んだんだけど、彼女の生き方そのものが情熱的だったんだよね。まわりの目を気にせず、時には自分の地位やプライドを捨ててまで、恋に仕事に自分に忠実に生きたんだ」
このカクテルは彼女たちの人となりを見事に表現している。