ボッチ・ボール


ボッチボール

毎年4月は何かしらドタバタしている。とは言え、部署に新人が入ってきたり、子供が入学したり、年度末の後片付けをしたりする立場ではないので、世間一般のスタンダードほどではないのだが、やはり忙しい。
こういう時に、癒される1杯が欲しいと思うのは当然のことだろう。
「ボッチ・ボールというカクテルはいかがですか?」
不覚にも初めて聞く名である。
「もともとはイタリア発祥の球技の名前らしいのですが」
「一人で遊ぶドッヂボールとかじゃないよね」
「…なんとなくおっしゃると思っていました」
グラスには、アマレット・オレンジジュース・ソーダ、レシピはいたってシンプルである。
「ほう」
アマレットの甘さと苦味がフレッシュなオレンジジュースの酸味と相まって、かなり心地良い。確かに疲れも和らぎそうな味わいだ。
この甘さと苦味、ちょっと春野菜の風味に似たものがあるかもしれない。
「春野菜の持つほのかな苦味というのは、冬に溜まった余分なものをデトックスする効果があるらしいんだよね」
「なるほど」
ちなみにボッチ・ボールはアメリカ生まれのカクテルだが、現在では名前の由来とアマレットの故郷であるイタリアでも飲まれているらしい。
「よし、今週末も飲む用事があるから頑張ろう」
「…そこへ行き着く訳ですか」
オレは残りを一気に飲み干すのであった。


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