ミント・ジュレップ


ミントジュレップ

北半球ならどこでもそうだが、この時期は日が長い。というわけで、開店時間に合わせて訪れると、夕陽を眺めながら酒を飲むことになる。
「不思議な気持ちになるなあ」
「『明るいバー』って、なかなかイメージできませんものね」
夏向きの冷たいカクテルは数あれど、ミント・ジュレップほど歴史があるものはそうはあるまい。その起源はかなり古く、なんと南北戦争(19世紀後半)には既に飲まれていたという。
「ウマイ! 何度飲んでも美味い! ビールも良いけど、やっぱりオレはこれが好きだなあ」
久々に絶叫してしまった。でも心配ご無用、開店してすぐなので客はオレしかいないのである。
ちなみにミント・ジュレップは、アメリカを、いや世界を代表する競馬のレース「ケンタッキー・ダービー」のオフィシャルドリンクとしても有名である。そんな訳で、ベースに使われるウイスキーは「ケンタッキー・バーボン」ということになる。ちなみに今では、ミント・ジュレップ専用のバーボン(扱いとしてはリキュール)も売られている。その人気は21世紀になった今でも衰えていないのだ。
「それにしても、このミントの香りはなんとも言えない…」
ちなみにミントにはストレスを緩和し、記憶力をアップする効果があるらしい。そのため人間の「思い出す」という機能を向上させるのだという。
「昔のことを思い出すことが多い、夏にはピッタリですね」
「なるほど… では、思い出に浸ってみるか(笑)」


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